ディスクゴルフの大会の多くは、全ホールの打数の合計で順位を決めます。これをメダルプレー(ストロークプレー)と呼びます。もう一つの戦い方が、1対1でホールを取り合うマッチプレーです。
日本でも、日本フライングディスク協会(JFDA)が 2024 年から「全日本ディスクゴルフマッチプレー選手権大会」を開いています。第3回は 2026 年 11 月 14 日〜15 日、熊本県水俣市のエコパーク水俣で行われます。
ここでは、マッチプレーの数え方と勝ち負けの決まり方を、PDGA の公式ルールの付録A「マッチプレー」(日本ディスクゴルフ協会 JPDGA の日本語訳)と、JFDA の第2回大会(2026 年 3 月)の試合形式で確かめた事だけで並べます。ページは 2026 年 10 月 9 日に開いて確かめました。
1. マッチプレーとは
PDGA の付録Aは、マッチプレーを「2人のプレーヤーが各ホールの勝利を競い、より多くのホールを勝ち取ったプレーヤーがマッチの勝者」と説明しています。ここに書かれていない事は、ふだんのルール(メダルプレーのルール)に従います。
- そのホールを相手より少ない打数で終えた人が、そのホールを取る
- 同じ打数なら、そのホールは引き分け(どちらも取らない)
- 合計の打数は関係ない。大たたきしたホールがあっても、失うのはその1ホールだけ
最後の点が、メダルプレーとの一番の違いです。1ホールで OB を重ねても、次のホールから取り返せます。
2. 数え方:オールスクエア・アップ・ダウン
マッチプレーでは、打数ではなく「何ホール多く取っているか」で途中経過を言います。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| オールスクエア | 取ったホールの数が同じ(同点)。試合はこの状態から始まる |
| アップ | 相手より多く取っている。2ホール多ければ「2アップ」 |
| ダウン | 相手より少ない。2ホール少なければ「2ダウン」 |
たとえば、1番を A さんが取り、2番は引き分け、3番も A さんが取ると、A さんは「2アップ」、B さんは「2ダウン」です。
スコアカードには、付録Aによると、ホールを取った人に「1」、もう一方にはダッシュ(—)などを書けばよいとされています。JFDA の第2回大会の結果表では、試合の結果を「+2」「−2」のように、アップとダウンの数で書いていました。
3. 投げる順番
付録Aの投げる順番は次のとおりです。
- 1番ホール:スコアカードで先に書かれている人が先に投げる
- 2番ホールから:前のホールを取った人が先に投げる
- 前のホールが引き分けなら、順番は変わらない
JFDA の第2回大会では、試合の始めの順番をディスクを1つ投げ上げて表か裏かで決める(ディスクトス・フリップ)としていました。
4. 勝負が決まる時
付録Aでは、取ったホールの差が、残りのホールの数より大きくなった時点で勝ちが決まります。
たとえば 9 ホールの試合で、6 ホールを終えて A さんが「4アップ」なら、残りは 3 ホールです。B さんが残りを全部取っても追いつけないので、ここで A さんの勝ちです。
JFDA の第2回大会でも「一方の選手が、残りのホール数よりも多くのアップを獲得した時点で、当該マッチの勝利となる」としていました。
5. コンシード(ゆずる)
付録Aでは、相手にゆずる「コンシード」が3つ決められています。
- 試合のコンシード:試合が決まる前ならいつでもでき、相手が勝ちになる
- ホールのコンシード:2人ともそのホールを終える前ならいつでもでき、相手がそのホールを取る
- スローのコンシード:相手の次の1投をゆずると、相手はその1投で入れたものとしてホールを終える
たとえば、相手のディスクがゴールのすぐそばにある時に「入ったことでいいよ」と言うのが、スローのコンシードです。
6. ペナルティは次のホールへ
付録Aでは、ホールとホールの間に受けた警告やペナルティは、次のホールに付きます。
JFDA の第2回大会の試合形式には、ホールの勝ち負けが決まった後に投げたスローは練習のスローとみなし、そのペナルティは次のホールに付ける、とありました。勝負が決まったホールで、ためしに残りを投げるのはやめておきましょう。
7. 全部のホールを終えて同点の時
付録Aでは、最後までオールスクエアなら試合は引き分けです。引き分けのままにするか、決着をつけるか、どう決めるかは大会の主催者(トーナメントディレクター)が決めます。
JFDA の第2回大会では、次のように決めていました。
| 試合 | ホール数 | 最後に同点の時 |
|---|---|---|
| 予選リーグ | 9 ホール | 引き分け |
| 順位を決めるトーナメント | 9 ホール・18 ホール | サドンデスのプレーオフ(最大 3 ホール)。それでも決まらなければ、試合で先にアップした人(ファーストアップ)の勝ち |
| 決勝・3位決定戦 | 18 ホール | サドンデスのプレーオフ(ホール数の上限なし) |
予選リーグの勝ち点は、勝ち 2 点・引き分け 1 点・負け 0 点でした。勝ち点が同じなら、その2人の対戦の結果や、アップとダウンの数などで順位を決めます。
どの試合にも時間の上限(9 ホールは 70 分、18 ホールは 140 分)があり、それを過ぎたら、その時に投げているホールで終わりにして勝ち負けを決める、とされていました。
第3回(2026 年 11 月)の細かい試合形式は、JFDA の大会のページの開催要項で確かめてください。
8. 月例会やクラブで遊ぶ時
マッチプレーは、2人いればすぐにできます。仲間内なら、ホール数(9 か 18 か)と、同点の時にどうするか(引き分けのままにする・1ホールずつ延長する)を、始める前に決めておくと揉めません(これは編集部の提案です)。
DiscPal では、大会を作る時に順位の決め方で「マッチプレー」を選べます。1 組 2 人が 1 試合になり、ホールごとの勝ち負けから途中経過を出します。予選リーグ(組ごとの総当たり)から本戦のトーナメント表を作ることもできます。
ほかの数え方は、次の記事にまとめています。
よくある質問
マッチプレーとメダルプレーは何が違いますか?
メダルプレーは全ホールの打数の合計で競います。マッチプレーは1対1でホールごとに勝ち負けを決め、多くのホールを取った人が勝ちます。大たたきしても、失うのはそのホールだけです。
「2アップ」とはどういう意味ですか?
相手より2ホール多く取っている、という意味です。相手の側から見ると「2ダウン」です。取ったホールの数が同じ時は「オールスクエア」と言います。
全部のホールを終えて同点ならどうなりますか?
PDGA の決まりでは引き分けで、決着のつけ方は大会の主催者が決めます。JFDA の第2回全日本マッチプレー選手権では、予選リーグは引き分け、トーナメントはサドンデスのプレーオフで決めていました。
勝負は最後のホールまで続けますか?
続けません。取ったホールの差が残りのホールの数より大きくなった時点で、勝ちが決まります。