11月に入り、朝のコースはずいぶん冷えるようになりました。ディスクゴルフは一年中できるスポーツですが、寒くなるとディスクの手ざわりも、体の動きも、夏とは変わります。
この記事では、米国のメーカー Innova が出している冬のディスクゴルフの記事(2025年12月12日・16日に公開)と、Innova のプラスチックの説明のページ、日本ディスクゴルフ協会(JPDGA)の公式ルールで確かめた事だけで、寒い時期に回るコツをまとめます。
冷えるとディスクは硬くなる
ディスクはプラスチックでできているので、気温が下がると硬くなります。Innova の共同創業者 Dave Dunipace は「氷点下でも GStar はしなやかなままだが、ほかのプラスチックは硬く、もろくなる」と話しています。
冷えて硬くなったディスクを投げると、投げ方をそれに合わせ直すことになりがちだ、と Innova の記事は書いています。Innova が寒い時期に向くとしているプラスチックは次のとおりです。
| プラスチック | Innova の説明(要約) |
|---|---|
| GStar | 冬に一番向く。Star・Champion と同じ材料でやわらかめ。夏と冬で感じがあまり変わらない |
| XT | GStar より寒さで硬くなるが、丈夫で握りやすく、値段も手ごろ |
| R-Pro | しなやかで、寒い日や濡れた日のパットとアプローチに一番向く |
| Driver Pro | 握りとしなやかさを、手ごろな値段で |
| Proto Glow DX | 寒くてもやわらかく、暗くなっても光る |
GStar はもともと、手が一年中乾きやすい Dave Dunipace が、握りやすいやわらかい材料を求めて作ったものだそうです。秋から冬は空気が乾き、手も乾きます。Innova でディスクの製造を見る Kobyn Dunipace は「摩擦が大きいほど、ディスクに力を伝えられる」と話しています。
ほかのメーカーにも、やわらかめのプラスチックがあります。たとえばスウェーデンの Kastaplast は、K1 Soft を「K1 よりしなやかで握りやすい」、K3 を「どんな条件でも握りやすい」と説明しています。メーカーごとのプラスチックの違いは、Innova の特徴の記事 や Kastaplast の特徴の記事 にもまとめています。
大事なディスクは冬のあいだ休ませる
冷えて硬くなったプラスチックは割れやすくなります。Innova のプロ Brad Lescalleet は「使い込んだお気に入りのディスクを、割れにくいものに替える」と話し、長く使ってきた KC プラスチックの Roc を冬はしまっておき、Star や Champion の Mako3 を出すそうです。
もう一つ、意外な工夫があります。Innova のプロ Cooper Arnold は、冬のラウンドの前の晩からディスクを車の中に置いて、寒さになじませておくそうです。「ディスクが温かいまま投げると、雪がとけてまた凍りつく」からです。ディスクを温めておけば良い、というわけではないようです。
厚着の日は、少し遅く・曲がりやすいディスクに
冬は投げる力が落ちます。Innova の記事は「冷えた手、重ね着、こわばった関節、滑らないように気をつける足運び。どれも力を奪う」と書き、少し遅い(スピードの数が小さい)か、安定の弱いディスクに替えると、いつもの飛び方に近づくとしています。Innova のアンバサダー Craig Nettleship も「着込むとテイクバックも腕の速さも縮む。軽めか、安定の弱いディスクに下げよう」と話しています。
Innova が挙げている替え方の例です。
| いつものディスク | 冬に替える例 |
|---|---|
| Racer | Destroyer |
| Gorgon | Wraith |
| TL | Teebird |
| Leopard3 | Eagle |
| Jay | Roc3 |
| Fox | Mako3 |
| Invader | AviarX3 |
| Xero | Aviar |
どのくらい曲がりやすいかは、ディスクに書かれた4つの数(スピード・グライド・ターン・フェード)で見当がつきます。読み方は 飛行数値の読み方の記事 に、各ディスクの数は DiscPal のディスク図鑑 にあります。
白いディスクは冬に見えなくなる
雪の上では、白いディスクはまず見つかりません。Brad Lescalleet は「白いディスクは、雪の中で見やすい色に替える」とすすめ、米国カンザス州の Das Loomis は「ハロウィンを過ぎたら白は投げない」を決まりにしているそうです。
雪の降らない土地でも、冬は落ち葉がたまります。Innova の記事も、冬はフェアウェイに置くことが何より大事で、雪や落ち葉の下でディスクをなくすことが減る、と書いています。目立つ色を選ぶのは、雪国でなくても役に立ちます。
日の入りが早い季節には、光るディスク(グロー)も手です。Innova は、仕事のあとに回るなら光るディスクで、と夜のラウンドをすすめています。
なくした時のルール
見つからないディスクの扱いは、JPDGA の公式ルール 805.03(ロストディスク)に決まりがあります。
- ディスクがあると思われる場所に着いてから 3分以内 に見つからなければ、ロストになる
- ロストになると 1投のペナルティ。次は直前のライから投げる(ロストディスク用のドロップゾーンがあるホールでは、そこから投げてもよい)
- 同じグループの人は、探すのを手伝う
冬は3分があっという間です。投げた人だけでなく、みんなで落ちた所を見ておくと探す時間が短くなります。OB やペナルティの決まりは OB とペナルティの記事 にもまとめています。
水たまりについては、公式ルール 806.03(カジュアルエリア)で、インバウンズの中にある水域はとくに決めが無ければカジュアルエリアになり、ペナルティなしで場所を移せます。雪や氷について、この条文に個別の書き方はありません。大会では、トーナメントディレクターが救済の範囲を決めることができます。濡れた日の扱いは 雨の日の記事 にも書きました。
体のための工夫
Innova の記事には、プロたちの冬の工夫も並んでいます。
- 頭を温める。寒い日はまずニット帽から(腕の振りのじゃまにならないもの)
- 水はぬるめのものを、思っているより多く飲む。厚着の下でも汗をかいて、水分は減っている(Das Loomis)
- 鼻で息をする(Das Loomis)
冬に閉まるコースもある
雪の多い土地のコースは、季節で営業が決まっている所があります。たとえば10月26日に開いた 苗場ディスクゴルフパーク は、今年の営業が 2026年11月8日まで です(苗場プリンスホテルの公式ページ)。行く前に、コースの公式ページで営業の日と時間を確かめてください。近くのコースは DiscPal のコース一覧 から探せます。
よくある質問
冬のディスクゴルフで、どのプラスチックを選べばいいですか?
Innova は、寒い時期に一番向くプラスチックとして GStar を挙げています。ほかに XT・R-Pro・Driver Pro・Proto Glow DX も寒い時期に向くとしています。
寒い日に飛ばなくなるのはなぜですか?
冷えた手や重ね着、こわばった体で、投げる力が落ちるからです。Innova は、少し遅いか安定の弱いディスクに替えると、いつもの飛び方に近づくとしています。
冬に白いディスクを使わないのはなぜですか?
雪の上で見えにくく、なくしやすいからです。Innova のプロは、雪の中で見やすい色に替えるようすすめています。
ディスクが見つからない時はどうなりますか?
JPDGA の公式ルール 805.03 では、ディスクがあると思われる場所に着いてから3分以内に見つからなければロストになり、1投のペナルティを加えて直前のライから投げ直します。