ディスクを遠くへ、まっすぐ飛ばすにはどうすればよいか。ディスクゴルフ用のディスクを最初に作ったメーカー Innova が、2026 年の2月から5月にかけて、公式のサイトに投げ方の解説を4本出しています(書いたのは Riley O'Neill)。バックハンド・フォアハンド・パット・よくある失敗の4本です。この記事では、その中身を DiscPal の言葉でまとめます。
左右の向きは、どれも右投げの人を例にしています。左投げの人は左右を入れ替えて読んでください。
バックハンドとフォアハンドの違い
- バックハンド:体の前を横切るように腕を引いて、体の後ろから前へ振り出す投げ方。ディスクゴルフで一番よく使われます
- フォアハンド:手のひらを上に向け、体の横から投げる投げ方(サイドアームとも呼ばれます)
Innova によると、右投げのフォアハンドはバックハンドと反対の向きに回ります。そのため、速く飛んでいる間は左へ動き、最後は右へ戻ります。バックハンドと逆の曲がり方なので、バックハンドだけでは通せない道を通せます。Innova は「バックハンドだけで回れる時代はほぼ終わった。たいていのコースは両方を求める」と書いています。
バックハンド:遠くへ飛ばすためのこと
1. 飛ぶ線を先に思い描く
目をつぶって力いっぱい投げても、飛ぶ距離は安定しません。投げる前に、手から落ちる所までの線を思い描き、ディスクに通ってほしい空の目じるしを決めます。思った線に乗ったのに見えない枝に当たったなら、それはよい投げだった、と考えられるのもこのやり方のよい所です。
2. 前の足を着いてから投げる
飛ばない時によくあるのは、前の足(右投げなら右足)が着く前にディスクを離してしまうことです。順番は次のとおりです。
- 前の足を着く
- 後ろの足で押す
- 腰を回す
- 肩で引っぱる
- 離す
Innova は「腕を一番後ろまで引いた時と、前の足が着く時を同じにする」ことをすすめています。
3. 足を一直線に並べない
後ろの足・前の足・ねらう先が一直線に並ぶと、腰が回りきりません。前の足は後ろの足より前で、少し横にずらして着き、腰がねらう先から少しそっぽを向くようにします。右投げなら、前の足(右足)はティーパッドの左寄り、後ろの足は右寄りです。こうすると体がねじれ、回す力が使えます。
4. パワーポケットを通す
多くのトップ選手が、遠くへ飛ばすうえで一番大事だと言うのが「パワーポケット」です。肩と二の腕の間が 90 度、二の腕と前腕の間も 90 度になる形のことで、振る途中でディスクがこの形を通ると、力が一番よくディスクに伝わります。Innova は、確かめ方として「投げる腕のひじで、固いものを突く」形をまねてみることをすすめています。ひじで突く時に力が伝わる腕の形が、そのままディスクに力を伝える形です。
5. ディスクの前を少し下げる
ディスクの前(ノーズ)が上を向いたまま離すと、失速して早く左へ落ちます。遠くへ飛ばす時は、飛ぶ向きに対してノーズを少し下げます。投げ始める前に、手の中で大げさなくらいノーズを下げておくのが確かめやすいやり方です。握り方を少し変える必要があるかもしれません。
力より、つながり
遠くへ投げようとして、力を入れるほど当たらなくなるのはよくあることです。Innova は「よい投げは、脚・腰・体幹・上半身の動きがそろっている」と書いています。順番どおりに力が伝われば、急いだ投げよりなめらかな投げのほうが遠くへ飛びます。
フォアハンド:手首と、ケガをしないこと
握り方と助走は人それぞれ
Innova は「これが正しい、という1つの形は無い」としたうえで、Innova の Nate Sexton が握り方と助走を説明する動画を出発点にすすめています。まねてみて、少しずつ自分に合う形を探します。
手首を使う
フォアハンドは手首で回します。腕を引く時に手首を返してため、離す瞬間に手首ではじくように回します。回転が多いほどディスクはぶれずに出て、遠くまで飛びます。手首が動かないと、ディスクはふらつきながら出て、距離が落ち、早く左へ動いてしまいます。
手を振るのではなく、ボールを投げる
手首には「手を振ってあいさつする」向きと「ものを投げる」向きの2つの動きがあります。フォアハンドで使うのはボールを投げる時の向きです。手を振る向きで投げると、力も出ず、ケガのもとにもなります。握りは、指の横だけがリムの内側に当たる形から、指の腹をリムに押し当てる形に変えると、この動きがしやすくなります。
腕だけで投げない
バックハンドと同じで、腕だけのフォアハンドは距離も安定も出ず、ケガにつながりやすくなります。後ろの足で押し、腰を回し、ひじから前へ出します。そこからディスクを押し出すのではなく、振り出すようにします。
離したあと、手のひらが空を向いているか
投げたあとで手を見下ろした時、手のひらが空を向いているのがよい形です。フォアハンドがぶれたり、思わぬ向きへ曲がったりする時は、最後の瞬間に手首が回っていることが多い、と Innova は書いています。
ケガを防ぐ
- 力よりタイミングを大事にする(力むとひじに負担がかかるのに、距離は伸びない)
- 軽い重さや、安定の少ない(右へ曲がりやすい)型を使って、ディスクに仕事をさせる
- 準備運動・ストレッチ・水を飲むこと。広場での練習はやりすぎない
- 遅い速さできれいな形を作ってから、少しずつ速くする
パット:6つのコツ
Innova の「6 Quick Putting Tips」は、6 m ほど(20 フィート)のパットを外すと、上手に回ってきたホールでも同じ打数になってしまう、という場面から始まります。
- パットの形をいくつか持つ:風がある時や上が低い時は回転をかけるスピンパット、茂みや木の後ろからは足を大きく開くストラドル、バスケットの後ろが危ない時は押し出すプッシュパット
- 小さくねらう:バスケット全体ではなく、チェーンの1本をねらう。右投げなら、真ん中より少し右の高い所のチェーンが目じるしにしやすい
- 最後まで見る:ディスクがチェーンに当たるまで、ねらったチェーンから目を離さない。ねらった所と握手するように腕を出しきる
- 下半身を使う:長いパットの力は下半身から来る。後ろの足に乗ってから前へ体重を移す。腕の動きは同じにして、体重の移し方で距離を合わせる
- 離す時まで加速する:振りの一番下から離す時まで、手は速くなり続ける。速くなくてよいが、なめらかに加速する
- 6 m のパットを好きになる:6 m が安定して入れば、10 m ほど(35 フィート)からでも外した後を気にせず強めに打てる
よくある失敗と直し方
「Common Throwing Errors Holding Back Your Game」(2026-05-14)から、6つの失敗をまとめます。
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| ぶれた力が加わる | 離す時に手首が回り、ディスクがふらつく。回転も前へ進む力も減る | 離したあとも、投げた線の上で腕を振り続ける |
| 体のまわりを回して振る | 腕を引く時に体のまわりへ回してしまい、外れやすく力も逃げる | 投げる腕と反対側の、ティーパッドの後ろの角へ向けて腕を引く |
| 力で投げようとする | 脚・腰・体幹・上半身の順番がくずれ、当たらなくなる | ゆっくりなめらかに投げることから始め、少しずつ力を足す |
| 腕だけで投げる | 下半身と体幹が使えず、距離も安定も落ち、体に負担がかかる | 腕で強く引くより、腰で回ることを考える |
| ノーズが上を向く | 失速して距離が落ち、早く曲がって落ちる | 投げ始める前に、手の中でノーズを大げさに下げておく |
| 速すぎるディスクを投げる | 腕の速さが足りないと、速いディスクは早く曲がって落ちる | パターとミッドレンジで形を作り、フェアウェイ、ドライバーの順に進む |
Innova の記事は Gregg Barsby の「速いディスクは、始めたばかりの人にはどれも同じ動きをする。強く曲がって落ちる」という言葉を引いています。
どのディスクで練習するか
4本の記事には、練習に使うディスクの話も出てきます。数は DiscPal の図鑑の飛行数値です(飛行数値の読み方)。
- 始めたばかりなら、遅いディスクから:パターとミッドレンジできれいな形を作ってから、速いドライバーへ。くわしくは最初の 1 本の選び方にもまとめています
- バックハンドで距離を伸ばしたい時:一番重い Destroyer(12 / 5 / -1 / 3)は、たいていの人には一番飛ぶディスクではない、と Innova は書いています。風が無い時や追い風なら、軽い Wraith(11 / 5 / -1 / 3)や Boss(13 / 5 / -1 / 3)のほうが遠くへ飛ぶ人が多い、とのことです。Innova の記事によると、David Wiggins Jr. が 1,108 フィート(約 338 m)の距離の世界記録を出したのは 154 g の Boss でした
- 向かい風の時:速く、安定の強い(左へ曲がりやすい)ディスクに替える。追い風なら安定の少ないディスクに替える
- フォアハンドの練習:フォアハンドを Firebird(9 / 3 / 0 / 4)のような安定の強いディスクでしか投げていないなら、Sidewinder(9 / 5 / -3 / 1)や Roadrunner(9 / 5 / -4 / 1)を広場へ持っていき、扱えるようにする。まっすぐ飛ぶパターで短い寄せを投げると、角度・速さ・回転の加減が身につく
よくある質問
バックハンドで飛距離が伸びないのはなぜですか?
Innova は、前の足が着く前に離してしまうこと、腕だけで投げること、ノーズが上を向いていること、腕の速さに対して速すぎるディスクを投げていることを、よくある失敗に挙げています。力を足すより、足を着く順番と、ノーズを少し下げることから直すようすすめています。
パワーポケットとは何ですか?
振っている途中で、肩と二の腕の間、二の腕と前腕の間がどちらも 90 度になる形のことです。ディスクがこの形を通ると、力が一番よくディスクに伝わる、と Innova は説明しています。
フォアハンドで腕やひじを痛めないためには?
力よりタイミングを大事にし、腕だけでなく脚と腰で投げることです。軽い重さや安定の少ないディスクを使う、準備運動とストレッチをする、練習をやりすぎない、ことも Innova はすすめています。
パットはどこをねらえばよいですか?
バスケット全体ではなく、チェーンの1本をねらいます。右投げなら、真ん中より少し右の高い所のチェーンがねらいやすい、と Innova は書いています。ディスクが当たるまで目を離さないことも大事です。